雪の決勝戦

2013 年 1 月 15 日

 昨年12月30日に開幕をむかえた第91回全国高等学校サッカー選手権大会は、14日、京都橘(京都)と鵬翔(宮崎)があらそう決勝戦が雪のため順延が決まった。

 15年前の決勝戦を思い出された方も多いシチュエーションだったが、あまりの積雪量だったため両校優勝の案もあったが19日の開催が決定した。

 今大会は優勝候補と目された大津(熊本)、野洲(滋賀)、四中工(三重)が軒並み初戦ですがたを消した。いずれも、初戦のむずかしさ、組み合わせの運によって、といわれるが裏を返せばトーナメントゆえの面白さとも解釈できる。

 前途の高校にはJ内定者がいて“超高校級”とよばれる選手もいた。近年は、“超”がつく選手も、J内定者も、優勝候補も、選手権では勝ちきれなくなっている印象がつよい。過去の国見(長崎)には“超”がいて、J内定者がいて、優勝候補と目されながらも勝ちきれる勇猛果敢なチームだった。

 彼らとの差を時代と片づけるのは早計だろう。

 国見高校を高校サッカーのブランドにした小嶺忠敏氏は勝つすべを知っていたが、同校をさる晩年には黄金期と比較をし、『この中で入れるのは2、3人』と選手を批判することもしばしば見受けられた。

 その監督がふたたび国見とは別のチームを率い、選手権の舞台にもどって来た。

 小柄な選手がおおかった長崎総合科学大学附属高を3回戦まで進出させ、敗れた3回戦では高い共通理解をもったパスワークなど、みている者たちをおおいに喜ばせた。指揮官もまた失点直後に大柄FWを投入するなど、サッカーが追わなければならない娯楽と勝敗を多分に追求し、この試合に勝利した東海大仰星(大阪)をメンバー総出で見送るなど清々しいチームだった。

 昨年の市立船橋(千葉)をのぞき、初優勝が6年つづいた選手権だが、今年も京都橘、鵬翔いずれが勝利しても初優勝校の誕生である。

 昨今は、1度まけても次があるプリンスリーグ(各地域の強豪で争うグループ戦)もあり、強化や育成に関してトーナメント戦は評価されない風潮がある。たしかに長期間におよぶリーグ戦は、強化や育成に関しては文句のつけようはない。だが、サッカー選手として大切な勝負強さという面では弱体している気がしてならない。

 毎年のように初優勝校が誕生し、“群雄割拠”という四字熟語で昨今の高校サッカーは語られているが、優勝候補にあげられたチーム同士が決勝戦で相まみえる決勝戦は久しく行われていないのが現状だ。

 思い返せば15年前の決勝戦、東福岡と帝京の対戦はそんな決勝戦だった。特筆すべきはそれから2年後、両校から1名ずつ日本代表の中心としてU-20W杯に出場し、準優勝という金字塔を打ちたてていることは偶然ではないだろう。


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