人事

2010 年 5 月 31 日

個人にしてもチームにしても長所を前面に出すと確実に良さは引き立つ。
そんな在り来たりな言葉が顕著に表れた試合だった様に思う。

ボクシングで例えるなら、思い切り打ったストレートがもろに急所に入った。
そんな日本の1点目だった様に思う。
そんなCKを導いたプレーは素晴らしかった。
引いた岡崎、飛び出す大久保の一連の流れはジャブとしてはあまりに効いたと私は考える。
こういったプレーを一度でも見たDFは容易にラインを上げる事は出来ない。
それがイングランド代表だろうがブラジル代表だろうが何度でもやるべきだと私は考える。
故障明けのファーディナンドとはいえ、明らかに岡崎の動き出しに動揺していた様に私には映った。
日本の攻めは、外国人には理解出来ないであろう日本人特有の自己犠牲の精神をもっともっと前面に出すべきだと私は考える。
強豪イングランドを相手に前半をリードして折り返した事は誰の目にも合格点であるし、最後まで集中を切らさなかった守備陣の奮闘をまず称えたい。
後半に入ってからの日本は前半に見られた押し上げと飛び出しが極端に減ってしまった。
疲れた選手は無論変えるべきだし、スタミナ面で言えば後半開始に5人代えたイングランドとの差は誰の目にも明らかではなかろうか。
スタミナが落ちれば、思考回路は低下し同じ様に技術も落ちる。
中澤や闘莉王を責める気は毛頭無い。
連携を高めるのは勿論、チームとして大事な事である。
指揮官が試合終了後のインタビューで『テストマッチだから・・』と振り返っていた。
ならば自身もテストを行うべきではなかろうか。
前に行く回数が極端に減ったのならロングボールを主体に攻めても良かったと思うし、縦に抜ける技術を持った選手を動きが落ちた後半半ばにでも投入するテストも出来たはずだ。
今回の試合はキャプテンでなかった中澤と岩政を代えても良かった様に思う。
遠藤と中村憲剛の交代もあっても面白かった。
アシュリー・コールのオーバーラップしたスペースを突く事も出来たはずだ。
テストだから・・と逃げる前に自身が出来うる事を全てテスト出来たのであろうか。
日本が先制した展開で逃げ切ろうとする展開は本戦でも十分に有りうる。

『人事を尽くして天命を待つ』
という言葉がある。
人間の力として出来る限りの事をして、その結果はただ運命に任せるのみ。
と、ある。
今回の試合で出来る限りの事をしたのか。

私には少なくとも疑問である。

イビチャ・オシム前日本代表監督は選手に対し『ライオンに追われた兎は足を攣らない』と、らしい言葉を残している。
今回の試合、選手は足を攣る程には走ってはいないだろう。

冒頭に長所を出せばと述べた。逆に大事な場面で短所を曝け出した本田。
いくら中心選手といえ、PKを招いたプレーは決していただけない。

最近、中田英寿とよく比較されるが中田英寿は決して、あのような醜いプレーはしないだろう。

今回の敗戦を選手達はどう受け止めたのだろう。
私は本大会に向けては良い結果だと考える。
大した準備無しに強豪相手にラッキーパンチで勝ったのなら、むしろ危なかった。

私は第二次岡田政権でオランダ戦に次ぐ善い敗戦だと考える。


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