会話

2010 年 5 月 27 日

思い出すと、彼はいつも怒鳴っていた。
1997年
両手を広げ、その掌を自分の胸元へ、胸に指先が触れるか触れないかの動作を何度も行い、そして怒鳴った。
『井原!!』
思わず笑ってしまった記憶がある。
当時チーム最年少の選手がキャプテン井原正巳に対して「DFラインを上げろ」と支持していた。
2002年
20代の半ばを迎え、自国開催のワールドカップで怒鳴る姿に貫禄めいた雰囲気を感じ、味方がゴールを決める度に無邪気に笑う姿には少し驚いた。
初戦のベルギー戦の試合前の小野への耳打ちは何を喋っているのか。ワクワクしてしまった。
2006年
日本史上最強と謳われたチームはグループリーグ最下位で大会を後にする。
彼は孤立した。
怒鳴り続けた。
何故、怒鳴り続けたのか。
私はチームの誰よりも貪欲にガムシャラに勝ちたかったのだと考える。
そして彼は中田英寿は大会中に現役引退をした。

どんなに望んでも彼は戻って来ない。

私を含め、日本人はそういった考え方が好きな様に思う。
もし、坂本龍馬が暗殺されなかったら。
もし、織田信長が暗殺されなかったら。
実際、その後の人生を描いた小説を読んだ事がある。

良いか悪いか、好きか嫌いかはあっても良いと思う。

巷では
オシムが病魔に襲われなかったら。

というのを度々、目にする。
私なりに一つ言える事がある。
間違い無く、岡田監督よりは良いチームになっていた。と

だが、強くなって勝てるチームになっていたかは不明である。
オシムがどんな名将であろうとも人間だからだ。
人間は必ず間違いを犯す。間違いを犯さない人間など存在しない。

ならば来たる2010年ワールドカップまでに何を成すべきか。
私は練習の時だけでなく試合の中で、もっと会話をするべきだ。
これからの親善試合はイングランド、コートジボアールと明らかに格上である。
イングランドは大会優勝候補。
コートジボアールは世界的エース、ドログバがいるし先日、世界的名将エリクソンが就任した。
その相手を前にして悠長に試合中に会話をする時間は限られている。

しかし、無いわけではない。

2010年
いったい誰が怒鳴るのか?
怒鳴る事は素晴らしい事では決してない。
だが、誰か怒鳴らなければならない。
やる気の無い選手。諦めてる選手には誰かが怒鳴る“べき”だと私は思う。

普段サッカーに関心のない方がファンになるのがワールドカップである。
そんな、普段サッカーに関心のない方からも『どん底』『勝てる気がしない』と言われている。

このままだと、ドイツ大会以上の惨敗も待っているかも知れない。

中田英寿が出場した試合をピンポイントで観てみた。
試合中に近くの選手と何度も会話を重ねていた。
遠くにいる選手には怒鳴る様に指示していた。

最近の日本代表の試合を同じくピンポイントで観てみた。
会話をしているのは主にハーフタイムの前と試合の後だけであった。

岡田監督は策士ではないのは疑いようがない。
ならば、選手同士が提案し、実行していくしかない。

どんな名将もピッチに入って試合でプレーする事は出来ない。

分かりきった事だが試合は選手がするものである。


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