品性

2012 年 6 月 1 日

 今季アジアチャンピオンズリーグ(ACL)において、ベスト16で日本勢のすべてチームが敗北を喫してしまった。

 07、08年と浦和レッズ、ガンバ大阪がACLを制してからは、日本勢は09年のベスト4が最高成績である。今季は4チーム中3チームがベスト16に残ったが、グループリーグを2位で通過したため、アウェイでの一発勝負が強いられた。

 ACLでの対日本チームのたたかい方をみると「日本のチームに勝つにはパワープレー」と言わんばかりに敵陣ふかくからロングボールを放り込んでくる場合がおおい。このやり方はいまに始まったことではないが、たしかな解決策を未だみつけられていないのが現状だ。

 食生活が欧米化したこともあり、180cmをこえる選手が少なくない昨今だが、それでもパワープレーに屈するのは別の理由があるのではないか。

 ファビオ・カンナバヴァーロという選手がいる。このイタリア人は公式記録で176cmとあるが、実際に逢ったことがある方にいわせると、もっと小さいそうだ。
 日本人と遜色ない体躯(たいく)ながら、それでも世界屈指の競り勝てるDFで、ときに2mをこえる選手を完璧におさえこんだ試合もあった。
 競りあったおおくの選手は『競りたくない』と口をそろえる。つまりは守備のしかたが「汚い」のだという。ファンのあいだでは、激しい守備でしられる選手も実際に競りあった選手からいわせれば『ダーティーだった』という事になる。

 そういった選手を日本人でさがした場合、いるだろうか。

 もちろんだが、サッカーにおける「汚い」と「激しい」は同義語ではない。だが、国際舞台とはそういった汚さと激しさを同居させた戦いなのだと言い換えられはしないか。
 カンナヴァーロは、相手選手の太ももにおもいきりヒザを入れ、もがく選手を尻目に両手をあげ、審判に笑顔をむける選手だった。それでも06年にはDFながらバロンドールを獲得した選手である。

 ACLも勝ちたいのならば“綺麗事”では勝てない時代なのかもしれない。


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