時代

2012 年 4 月 23 日

 欧州チャンピオンズリーグ(CL)では優勝候補のスペイン勢がそろって敗れ、ドイツでは日本の香川真司が所属するドルトムントがリーグ連覇を決めた同時刻、全世界で5億人が観戦すると云われるクラシコがスペインで行われた。

 過去218戦が行われ、通算成績はバルセロナ86勝、レアル・マドリー86勝、引き分け46といった永遠のライバルと呼ぶに相応しい両者である。
 219戦目の死闘は両者ともCLの疲労を感じさせるが、レアル・マドリーが2-1で4年半勝てていなかったカンプ・ノウでの試合を制した。

 レアル・マドリーを率いるジョゼ・モウリーニョ監督にとってリーグ戦ではもちろん、率いた全てのチームで念願のカンプ・ノウ初勝利となった。
 識者も含め、古くからバルサを応援する者たちにとっては『そろそろかな・・』というのが通説のようである。
 バルサの歴史をひもとく時、極端すぎるほどの浮き沈みを経験してきたファンにとって、絶対的なホーム「カンプ・ノウ」でのクラシコ敗戦はサイクルの終焉を意味するのだという。
 その通説がまかり通っても不思議ではない。

 昨今はバルサに対し、悪意をもって書くと編集部の電話が鳴り、TwitterやFacebookといったSNSでは袋叩きに遭い、サイトのコメント欄での罵り合い、そんな状況を見聞きするのも、残念ではあるが少なくはない。

 サッカーに限らず、過剰すぎる愛情はときに人を歪めてしまうものである。

 内戦、弾圧、といった「過去」という要素が人を惹きつけ、サッカー界のレジェンドであるオランダ人、ヨハン・クライフの哲学のかたちと云っていいチーム体制、完成された美しいパスサッカーとリオネル・メッシという強烈なフィニッシャーが、その美しさに華を添えつづけてきた。
 日本はもちろん、全世界のサッカーファンが美しさに酔いしれ、誰もが羨望の眼差しで愛するチームと重ねたのではないか。
 チームOBでもあるジョゼップ・グアルディオラがチームを率いて4年、両手では足りないほどのタイトル数、チーム史上最強とよばれ、強すぎるゆえのアンチが生まれても何ら、不思議ではない。

 誰しもが歳を重ねるように選手にも衰えは必ず訪れ、時代は移り変わってゆくものである。それを差し引いたとしても、このまま終焉をむかえるには余りにも惜しいチームではある。
 リーグ3連覇中のチームも今回のクラシコ敗戦を受け、4連覇は絶望的ではあるが、24日カンプ・ノウで行われるCLでの巻き返しをヨハン・クライフの一ファンとして期待したい。


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