宝物

2010 年 5 月 15 日

ワールドカップが近づくと私は前回ワールドカップの資料を読み漁る。
なかなか面白いもので当時の情景や光景が思い出される。
人にはそれぞれ宝物がある。
宝物というからには宝の物と書くので物を宝物にしている方も多い事と思う。
私にも宝物があり、部屋に飾ったり、飾ってはなくとも目に見える場所に常に置いてある。
他人から見れば、何の価値も見い出せない物が多々ある。
私は物よりも大切にしているのは言葉だ。
その言葉が例え嘘だとしても良い。
よく云われている『嘘から出た誠』であったとしても良いと私は思っている。
音楽と一緒で、聞いたり思い出したりすると当時の情景や光景が浮かんでくる。
そこから悩みや迷いを打ち消したりするものだと私は信じている。

多くの人はそれを「経験」と言うが、私には余りに言葉足らずな言葉の様に思う。

先日、南アフリカ大会日本代表が発表された。
メンバーの中に玉田圭司が選出された。
現時点で彼に期待する声は多くはない。
「なんで??」
「前田でしょ!」
など、数多く聞かれる。
玉田がもっとも輝いた大会は2004年アジアカップ大会という方も多いと思う。
その大会のみの活躍だけではないにしろ、ジーコは彼を前回ワールドカップに連れて行った。
そしてグループリーグ最終節ブラジル戦で「あの」ゴールを決めた。
『奇跡』を信じてドイツに旅立った友人はゴールが決まった瞬間、狂喜乱舞しスタジアムの階段から落ちてしまい、足を捻挫したらしい。
たった一つのゴールが人間をそこまで無我夢中にし、狂わせてしまう。
これもワールドカップの持つ力だと思う。
無惨な結果に終わってしまったがテレビで見ていた私はホイッスルを聞いた瞬間、涙したのを覚えている。
ただただ悔しかった。

玉田のゴールが遠い昔の事の様に感じてしまった程、悔しかった。
あれから4年経ち『ブラジルからゴールを決めた男』なるフレーズを聞きもしないし、目にもしない。
期待はされていない。
少なくとも私は、そう映る。
この現実を玉田自身はどう思い、どう考えているかは知る由もない。
ただ、私が聞いたドイツから持ち帰ったモノとどう向き合っているのだろうか。

尊敬の眼差しで見ていた中田英寿からワールドカップ期間中に言われた
『だから、これからもこういうプレーを続けていけよ』
中田英寿の言葉。
日本代表選手全員とジーコのサインが入ったユニフォーム。

彼の宝物。



さて、みなさんの宝物は?


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