品行

2012 年 2 月 25 日

 デル・ピエーロやアントニオ・コンテの振るまいを見ていると、日本野球界のレジェンド松井秀喜さんのコメントを思い出す。

 読売巨人軍時代に築いていた連続試合記録を伸ばし続ける理由を次のように語っていた。
 『巨人戦のチケットはなかなか取れないんです。もし、仮にその試合に地方から僕を見に来ているファンがいたら、って思ったら少しくらい痛くても僕は試合に出ます』と答える。

 世界を震撼させた9・11が起きるとオフの期間を利用して、グラウンドゼロまでおもむき、気温-10℃のその場所で1時間も身動き一つせず想いに耽っている映像を拝見した。思いやりがある、という言葉では埋め切れない程の選手が残した足跡に一発で好きな選手になってしまった。
 だからこそ、世界一有名な野球チーム「NYヤンキース」を退団しても、選手のみならずファンからも愛される存在であり、要因なのだと思う。

 ユベントスセンターにお邪魔させて頂いた。
 間近に選手と触れ合える好機とあって、多くのファンが詰めかけている。
 練習を終えた選手たちが続々と門から出てくる。姿を表すたびに大きな歓声があがるが、ほとんど奇声に近い状態だ。多くの選手が車で通過するが時間に余裕がある選手はファンサービスを行う。
 隣に居合わせた常連と語るイタリア人によると『その選手からサインを貰ったことがない』や『その選手は気まぐれだよ』といった事を教えてくれた。チームの象徴とされるデル・ピエーロ、監督になったコンテはほぼ毎日といっていいほど姿を表し、コンテは選手時代からほぼ毎日ファンサービスを欠かさなかった、と語っていた。

 スポーツに限らず、何の世界でもトップオブトップまで登り詰めた人間には才能以上に必要なものがある、と改めて痛感させられた。


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