教養

2011 年 12 月 31 日

 ドイツの教育者、フリードリッヒ・フレーベルは言う。
 『子供は五歳までに、その生涯に学ぶべき事を学び終える』


 30日、第90回全国高校サッカー選手権大会が開幕し、翌31日の今日、都内近郊各地で1回戦が開催された。
 84回の野洲高校が初制覇して以来、6年連続で初優勝校が誕生している近年だが、90回大会も新たな王者が生まれるか、に注目が集まる。

 「セクシー・フットボール」と呼ばれた野洲の攻撃は端的に言わせて頂くとショートパス中心の攻撃が先ず挙げられる。言葉では簡単だが、ピッチの中で表現するとなると高度な技術が求められる。
 だが、この時のメンバーをみるとプロで活躍する者、海外移籍を果たした者までいる。俗に言う「当たり年」で、山本佳司監督の長年抱いた戦術に当て嵌まり、求めていた人材が適材適所に存在した、と言える。

 言葉を悪く言わせて頂くと、それまでの高校サッカーはフィジカル重視の「力のサッカー」だった。野洲はその時代にショートパス、的確なサイドチェンジから相手を崩す「技のサッカー」といった新風を吹き込んだ。つまりは風穴を空けたのだ。
 私立でなく県立高校が起こした革命の余波は大きく、そこからの優勝校をみてみると大柄なFWに放り込む、といったサッカーでは優勝してはいない。
 新風の余波は大きく、高校サッカーの辞書があったとしたら「崩す」をひくと「力」だった言葉が「技」に書き換えたと言ってもいいだろう。
 世界を見渡した場合、日本人の体格に適したサッカーであるのは言うまでもないが、力で勝負した場合、必ず負ける。
 何故なら日本には180cmを超える選手がゴロゴロいるわけではないからだ。

 今大会ここまで3試合観戦させて頂いたが、ロングボールは少なく足元に丁寧に繋ぐサッカーがみられ娯楽性に富んでいるのは勿論だが、年々向上する個々の技術の高さに驚かされる。
 未来に期待するものが膨らむばかりだ。

 選手達が良い流れを作る一方で観客席では年々ひどくなっている気がしてならない。
 埼玉2〇〇2で観戦した大宮東(埼玉)と那覇西(沖縄)との試合で観客席から小汚い野次が飛んでいた。ファールをした那覇西の選手に対してのものだが、選手、チーム関係者が3年間を懸けて掴んだ全国の舞台であまりにも心ないものだった。
 私の席の反対側で起こった事だが、しっかり聞き取れた。在学生やチームOBしか入ることが出来ないエリアからの声に落胆は隠せない。学校側の指導も然りだが、選手権を何たるか、を知る者達から出た言葉に本当に残念でならない。

 次戦の清水商(静岡)とルーテル学院(熊本)との試合前にアナウンスで『スタンドからの声援は選手や監督を尊重したものを贈りましょう』と聞く。
 こんな幼稚なアナウンスを聞かなければならない程、民族としての質は落ちてしまったのかもしれない。

 試合が終わり、人が去った席の下の所々に弁当のゴミや缶ビールの空き缶などが散乱する現実を目の当たりにする。
 外国人からよく「マナーやモラルを守る日本人」といった類のイメージは過去のもののようである。


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