快挙

2011 年 12 月 25 日

 26年もの歳月があれば、この世に生を受けた赤子が成人を迎えるのは勿論、子の親にもなり得るに十分な歳月である。

 「記録とは破るためにある」

 使い古されたこの言葉が今年の天皇杯ほど当て嵌まる大会はないだろう。
 24日、全国各地で天皇杯準々決勝が開催され、横浜FM、C大阪、FC東京、京都パープルサンガの4チームがベスト4に進出した。

 天皇杯のベスト4に、J2クラブが2チーム残るのは史上初であり、J2クラブが天皇杯決勝に進出すれば、これも史上初の快挙となる。
 トップリーグ所属ではないクラブが2チーム以上ベスト4入りを果たした過去を紐解くと85年大会まで遡らなければならない。

 敗軍の将となった名古屋グランパスを率いたストイコビッチ監督は『天皇杯の問題は日程。協会は変更を考えなければいけない。1年間リーグを戦って、2週間以上待たなければいけない。選手のモチベーションと緊張感を維持するのは難しい。大会の質を上げるには日程変更しかない』と苦言ともとれるコメントを述べた。
 『FIFAスタッフもクリスマスに試合があるのか、と驚いていた。天皇陛下に敬意を表して12月23日の天皇誕生日に決勝戦を行うのはいかがだろう』と外国人らしい目線で今ひとつ盛り上がりに欠ける大会に華を添える提案を出してくれた。

 確かに12月23日ならば、祝日にあたり国民の休日である。興行的にも文句はなく、なにより天皇陛下の誕生日にも華が添えられる。

 年間を通じ、全国各地で始まる天皇杯だがJ1というトップリーグに所属するチームを打ち破るジャイアントキリングを起こすたびに各メディアが沸き、地元が沸き立つ。
 この事実から天皇杯こそサッカーの魅力が詰まった大会とも言い換えることも出来るのではないか。
 過去にこの大会で浦和レッズを破った松本山雅FCが来季からJFLからJ2へと戦いの場を移す。今夏、急死した松田直樹氏が入団会見で口にした目標の場所に辿り着く。

 松本山雅のオールドファンにあたる私の友人が『全国の人は松田、松田って言うけどさ、レッズに勝たなかったら、マツも松本には来なかったんじゃないかな』と語った事が興味深い。
 事実、松田氏も松本山雅の名を知ったのはその時、と語り、移籍理由としてチーム関係者の熱意、スタジアムの雰囲気と答えている。
 成し遂げた功績が自信と希望を与え、ワンランク上を見据える目線を持ち、チームリーダーを欲し、スタジアムの雰囲気をより善きものにしたと考えても不思議ではない。
 快挙が世を動かし、人を動かすならば、今大会に抱く期待は小さくない。

 史上初の快挙。

 ならば、是が非でも快挙を成し遂げて欲しい。
 快挙は課題や、問題点を浮き彫りにし、ひいては体制を変え、時代にあった変化を期待できる。

 FC東京、京都の飛躍に期待したい。


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