価値

2011 年 12 月 6 日

 12月10日、世界中が注目するエル・クラシコが行われる。

 説明不要の1戦であり、注目と楽しみが凝縮され期待を裏切らないバルセロナとレアル・マドリー両者の戦いは世界中のサッカーファンを虜にしている。
 両者が身につけるユニフォームメーカーadidas社とNike社の代理戦争とも云われピッチの外でも凌ぎを削っている。いわずと知れたスポーツメーカーの二大巨頭である。

 3月5日に開幕した19年目のJリーグが12月3日、昨季のJ2覇者、柏レイソルがJ1でも優勝を果たすという史上初の功績で幕を降ろした。開幕戦を観戦した時に見慣れないメーカーのユニフォームで個人的に目新しかった。“YONEX”である。
 柏といえば“UMBRO”という認識があり、YONEXをバドミントンメーカーでしか認識がなかった為、サッカー界にも進出してきた事が嬉しくもあり複雑な気分だった。

 莫大な資金を投じ、自社のユニフォームを着て貰うわけだが、勝たなければ投資は失敗に終わる。まさに悲惨そのものである。ゆえにチームは人気選手を獲得し、ユニフォーム購入を狙ったり、勝利以外でもチーム作りに頭を使わなければならない。
 年間最優秀選手賞が発表され柏のレアンドロ・ドミンゲス選手が選ばれた。ユニフォーム購入者は間違いなく増えることだろう。感謝の気持ちを込め購入する者、ファンになり購入する者など人それぞれだが、ユニフォームが売れる事と選手の実績が切っても切れない関係にある。

 昨年の南アフリカW杯期間中にメーカーの方に聞いた話だが、W杯開幕前からアルゼンチンの名無しの10番が世界中で脅威的に売れたという。サッカー選手の最高栄誉ともされるバロンドール保持者の名を記さず、とうの昔に選手ではなくなり、監督になったマラドーナを想う気持ちは時が経っても変わらない人気が伺えるエピソードだろう。

 大が小を食う弱肉強食のスポーツの世界でYONEX社が掴んだ栄誉は計り知れない。そのYONEX社製のユニフォームを身に纏った柏が優勝を果たした1戦の相手は奇しくもNike社製のユニフォームを身に纏った浦和レッズであった。

 YONEX社は1946年創業の老舗会社であり、当初は漁業用の木製浮きを製造していた。サッカー界に参入したのが2011年の今年からだというのだから、幸運という言葉すらも陳腐に聞こえ、漫画の世界のような、驚愕という一言がよく似合う。

 大なり小なり、世界中のメーカーが「我がメーカーこそ」と思い、制作費に億単位の資金を投入している昨今、Made in Japanのスポーツメーカーから日本の自国リーグ、Jリーグの覇者を生んだ事がこの上なく嬉しく思う。

 無論、潤沢な資金を誇るユニフォームメーカーが強く、緻密で、美しいサッカーをするとは限らないがバルセロナとレアル・マドリーは別格なのは言うまでもない。アメリカとドイツのメーカーも良いが、世界を代表する両チームだけに自国ブランドの着用も近い将来あっていい。
 欧州のサッカーは世界中から熱視線を浴びる一方で経済はというと不況の一途を辿っている事実がある。

 スペイン経済も然りである。

 8日から始まるクラブワールドカップでMade in Japanのユニフォームを身に纏った柏の飛躍を期待したい。


コメントをどうぞ