執念

2010 年 4 月 8 日

試合終了のホイッスルが鳴った時、何故か笑ってしまった。

苦笑いなら数えきれない位してきたが、笑ってしまったのは初めてな気がする。
2軍以下のセルビアと前回のコラムで書いたが、確かに2軍ではあったが次元が違った。
ブラジルの2軍と聞けば、構えたとは思うがセルビアを舐めていたというよりは私自身どうやら、日本を過大評価していたようだ。

セルビアの選手達、監督は必死だった。
伝わって来た。
昔に読んだ、村上龍氏の本の一節に
『欧米の選手達が家族や恋人も友達もいない極東の国で真剣勝負を本当にするのだろうか』
確か、こんな一節であったのを覚えている。
共感できる一節。

セルビアは必死だった。
セルビアの選手達、監督は『将来を左右する試合』と意気込んでいたみたいだ。
監督は国外の選手を中心に見る為、国内の選手は見て貰えないらしい。
国内中心のメンバーだった今回。
ワールドカップ本大会に行けるかも知れないという希望を胸に抱いてプレーしていたと思う。
その希望を、微かな希望を全力で掴もうとする相手選手達が羨ましかった。
国外の選手が少ない日本だとしても、状況は同じはずだった。

トゥーリオ不在のDFラインは余りにも脆く、得点力不足と嘆かれるFWは得点以前の問題だった気がする。
象徴だったプレーは13分、中村からの縦パスをPA内で興梠が受けるシーンがあった。
DFの裏から入り、巧い受け方をした興梠だったが、あろう事か外にトラップしてしまう。
アレではゴールは遠い。
スルーをして一発で前を向ければ100点なのだが。
外に止めても、ターンするのでなくボールを戻してしまう。
振り向けるスペースは十分にあったしPA内でのターンはDFがもっとも嫌がるプレーの一つなのだが。

中盤に関してはバランスとスイッチが今回は見えて来なかった。

岡崎に関しては相手の2点目のゴールをお膳立てしてしまった程だ。
テレビ観戦をしていた方なら分かる事なのだが、解説者が『オフサイド!オフサイド!』と騒いでいたが、明らかに岡崎が残っていた。
ワールドカップ本大会が迫った現在、普段は観ない方もテレビ観戦をする。
何故、オフサイドにならなかったのか?
その説明をしっかりとしなければならない。
ルールの奥深さをしっかりと伝えなければならない。
あんな解説では本当のファンは、いつまで経っても生まれない気がしてならない。

監督に関しては戦術どうこうよりも試合のコンセプトがあったのでは。
23人の選手選考の『30パーセントの選手を探す』のではなかったのか。
負傷を抱えた70パーセントの選手だろう選手をいつまでも使ったり、途中で使って途中で下げたり。
負けている状況でDFを投入したりと、勝ちに行くのか。テストするのか。
これでは30パーセントの選手達の不信感は募るばかりだ。

2年経っても何をやりたいか見えて来ないチームと将来を左右する試合と意気込んで来た即席チーム。
試合をする前から勝敗は決していたのかもしれない。


唯一、印象に残ったプレーがある。
31分の阿部のダイビングヘッドだ。
気迫、勝利への執念が感じられた。
一つ一つの競り合いで勝ちに行く。
その積み重ねが、ゴールに繋がると私は考える。

その先に初めて、勝利があると私は信じている。


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